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とりくみ

みんなのマインクラフト⑯ を開催しました!

2023年12月6日、佐賀県鳥栖市のまちづくり推進センターにて、第16回目となる『みんなのマインクラフト』を開催しました。
この教室は、地域の小学校と特別支援学校小学部の子ども達が集まって、メタバースを体験しながら、さまざまな創作活動とコミュニケーションを行なう場所を目指しています。

まずは全員で話し合い

今回は、この教室始まって以来の、オーソドックスなサバイバルモードをプレイしてみようかと思っていました。
今さら、なんの変哲もないサバイバルモードをやって何の意味があるのか? という話になりそうですが、8人もの人数でサバイバル生活をやってみるという経験は、なかなかできないものです。
一寸先が闇のサバイバル生活の中で、それぞれの役割や目標を設定しつつ、どのように統率をとりながらコミュニティを形成していくのか、というのを一度体験してみたいと思っていました。

ところが、以前「だるまさんがころんだ」をやった時に、ちょうど法事でお休みしていた児童から、どうしても「だるまさんがころんだ」をやりたい! という意見が出てきました。
周囲の児童は、飽きたからやりたくないという意見が多かったのですが、他の人がやったのに自分だけやっていないというのはモヤモヤするし、どうしてもやってみたいという気持ちはよくわかります。
そこで、全員の同意のもと、まずは「だるまさんがころんだ」をやってみて、その後にサバイバルモードをやるということに決定しました。
これでスムーズな進行ができるぞと思っていたのですが、ところがどっこい! そうは問屋が卸しません。

モチベーションが大事!

「だるまさんがころんだ」のワールドでは、だるまにやられてしまうと、他のプレーヤーの視点に移動してサポート役に徹するしかなくなるので、それをつまらないと感じる児童がいます。というか、ほとんどの児童がそう感じるでしょう。
つまり、主体的に活動できなくなってしまった際に、 ゲームが終了するまで待つことができるかどうかが試されるわけです。
この時、大人の指示に従って待つことができる児童は、素晴らしい能力を持っていると思います。
ところが、待つことができずに、他の活動を勝手に主体的に始める児童もまた、それはそれで素晴らしい能力を持っているともいえます。
今回の状況がまさにそれなのですが、「だるまさんがころんだ」を離脱した児童が、勝手にサバイバルモードでワールドを立ち上げ、そこに数人の児童が入り、サバイバル生活を始めたのです。
また、クリエイティブモードでワールドを立ち上げる児童も登場し、「だるまさんがころんだ」と「サバイバルモード」と「クリエイティブモード」の三つ巴の状態が展開されるというカオスな状況が生まれました。
「だるまさんがころんだ」の終了後、2つのワールドをどうしようか悩んだのですが、あまりにも楽しそうに熱中している状態だったので、そのまま継続させることに。
しばらくしたら子ども達も飽きて「ベッドウォーズをやりたい!」とか言い出すだろうと予想し、僕はライフボートサーバーで海外の猛者達と建築バトルを繰り広げながら待つことにしました。
予想通り、しばらくすると「ベッドウォーズをやりたい!」という声があがり、なんとなくそれに全員が賛同するかたちになりました。
最終的には、いつもの「ベッドウォーズ」をやることになって、カオスな状況も一段落です。
僕は、せっかくクリエイティビティでマウントを取り合う過酷な建築バトルに熱中していたのに、それを中断しなければならなかったのが悲しかったですけどね…

結局、何が言いたいのかというと、待つことができない子どもがいたとしても、その子が自分の能力の範囲内で領域展開をして自身のモチベーションをコントロールできるのであれば、もうそれは無量空処であり五条悟に匹敵します。
すべての子どもに対して、常に楽しい時間を与え続けることはどのみち不可能なので、つまらないと感じる時間を楽しい時間に個別転換させることができるのであれば、それはすばらしい時間の使い方ですよね。
本人が「楽しい」と思えている瞬間は学習している瞬間なので、その時間は大切にしなければならないし、逆にいえば、授業の中で三角関数をやっているときに、それを楽しいと思えていないのであれば、それは単にペーパーテスト対策として暗記作業をしているだけの状態であり、学習している状態とはいえません。
目の前にいる子ども達が、中学生になっても知的好奇心のおもむくままに自ら学び、この無駄に旺盛なモチベーションを保ち続けることができればと、切に願っています。

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