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とりくみ

キッズ★プログラミング⑧ を開催しました!

2019年1月9日、佐賀県鳥栖市のまちづくり推進センターにて、第8回目となる『キッズ★プログラミング』を開催しました。

今回のミッションは、前回からの続きで、横スクロールアクションゲーム制作です。
次回(2月の開催)でキッズ★プログラミングが最終回を迎えることもあり、ゲームの完成に向けて最終追い込みをがんばるつもりだったのですが…
さすがは天下無双の小学生、そうは問屋が卸しません!
各々チャレンジしてみたいことがあるようで、今回はゲーム制作自体がなかなか進みませんでした。
とは言っても、子ども達がやりたいことに主体的に取り組む姿は、見ていて気持ちのいいものです。

そんな子ども達の様子をいくつかご紹介しましょう。
例えば、キッズ★プログラミングに来てるくせに、全くパソコンに触れようとしない子どもがいたので、その理由を尋ねてみました。
すると、前回作っていたデータを保存し忘れたために、最初から作り直さなければならず、どうしてもヤル気が出ないということでした。
なるほど、それならぜんぜん OK !
ヤル気が出ない時に、無理やり取り組んでも良いことなんてありません。
そういう時は、のんびりといろいろなことをやってみて、もしモチベーションが高まるタイミングが来たなら、その時またチャレンジしてみればいいと思います。
主体性を大事にするということは、今はやりたくないからやらない! という自己決定を尊重するということであり、指導者側の都合を強制してしまっては何の意味もありませんからね。

キッズ★プログラミングには、イラスト好きな子どももいます。
その子は、ひたすらデジタルアート制作に熱中していました。
しかも、Scratch のコスチューム描画エリアという、貧弱なペイントツールを最大限駆使しているところがすばらしいのです。
手元を覗いてみると、巫女さんのキャラクターを描いていたので、『サクラ大戦』の主人公じゃん! と思ったら、『幻想万華鏡』という東方アニメのキャラだそうで、『東方』と『東方神起』が別物だという説明までしてくれました。
いやいや、さすがにそれは知っとるわ! と言いたいところですが、おそらく周囲で『東方』を知っている人がほとんどいないからこそ、丁寧に解説してくれたのでしょう。
マニアックな世界が好きだということは魅力的なことであり、それだけで価値あることです。
それを極めるためにも、本来であれば、この子には Photoshop とペンタブレットを与えたいところですが…
僕が言うのもおかしな話ですが、この際プログラミングのことなんて気にせず、模写でもオリジナルでも何でもいいから、興味のあるイラストをバリバリ描きまくってほしいと思います。

もちろんプログラミングをがんばっている子どももいます。
その子は、高度なプログラミングへ挑戦するあまり、どうしてもうまくいかず、解決方法を僕に質問してきました。
僕もかっこいいところを見せたくて、気合を入れてトライしてみたのですが、なかなかうまく動作しません。
こりゃまいったゾ!
その後、二人で試行錯誤を繰り返していると、あっという間に終了時間が来てしまいました。
何かに熱中していると、時間の経過が早いこと早いこと…
今回は、時間内に答えを導き出すことはできなかったのですが、ああでもないこうでもないと試行錯誤している状況こそが学びの瞬間でもあります。
なにより、この子が、技術的にできそうかどうかという部分ではなく、こういうものを作りたいんだという部分に基準を置いた思考をしていることに対して、僕はうれしさを感じずにはいられません。

そういえば、約1年間、キッズ★プログラミングを運営してきた中で、不思議に思うことがあります。
それは、子ども達が Scratch に関する質問をしてきた際、僕が答えられなかった場面が山ほどあるのですが(今回と同じような状況ですね)、「先生のくせに、なぜわからないの?」とか、「それでもプロなの?」などと言ってくる子どもはひとりもいないのです。
不思議ですね。
そもそも学校教育のように、答えが存在するものへの取り組みであれば、先生が答えられない(答えを忘れている)というのは、なんとなく恥ずかしいという雰囲気があるのかもしれません。
ところが、子ども達が自分の好きな事に主体的に取り組む環境では、それぞれの世界をどんどん深く深く追求している状態なので、その先にある答えを見つけ出すのはそうたやすい事ではありません。
決まった答えが存在しないものへ取り組むということは、想定外の展開になることが想定内であり、その想定外の部分にこそ、子ども達の可能性が見えます。
子ども達は、そういった学びの種類の違いを自然に理解しているからこそ、答えが見つからなくてもそれほどモヤモヤすることなく、主体性を持った思考ができているのではないかと思うのです。
だからこそ僕も気が楽だし、想定外の展開を楽しむことができるのだと思います。

さて、キッズ★プログラミングも、いよいよ来月で最後となります。
1年間の締めくくりに、どんなことをしましょうか。

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